まぶたの腫瘍

まぶたが腫れているというワンちゃんが来院しました。見てみると左目の上まぶたが腫れているのが分かります。

ワンちゃんでまぶたが腫れる原因は、いわゆる「ものもらい」と言われるまぶたの炎症であることが多く、ものもらいも、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)というまぶたの細菌感染と、霰粒腫(さんりゅうしゅ)というまぶたの分泌物の詰まりに分けられます。

ただし、この子の場合はそのどちらとも違うようです。

ものもらいであれば、まぶた自体が腫れてきますが、今回はまぶたから外に向かってしこりが飛び出しています。このような場合に疑うのはまぶたの腫瘍です。腫瘍ですので点眼や内服で良化はしないため、この子は手術をすることになりました。

下が手術直後の写真です。

傷がくっついて抜糸するまでの2週間は、エリザベスカラーを付けての生活になります。

下が抜糸後の写真です。

きれいにくっついたのが分かると思います。

ワンちゃんのまぶたの腫瘍は、良性腫瘍である場合が90%程度であり、転移して命を脅かすということは多くありませんが、そのままにしておくと眼球に当たるほど大きくなって、角膜を傷つけてしまいます。

なるべく大きくなる前に手術した方が治りは早いので、気になる方はご相談下さい。