前肢の骨折

小型のワンちゃんが高いところから飛び降りたり落ちてしまった時に、前肢を骨折してしまう事がよくあります。

このレントゲン写真のワンちゃんも高いところから落ちてしまい、前肢の骨を折ってしまいました。

画像右側の太い骨が橈骨、左側の細い骨が尺骨といいますが、両方とも折れてしまっています。

 

 

指先のような細い骨の場合や、太い骨でも亀裂が入っているだけの場合には、手術をせずにギプスなどの外固定だけで対処することは可能ですが、さすがにこのような大きな骨折をしてしまった場合には手術が必要です。

以下が手術後のレントゲン写真です。

人間に比べると骨がとても細く、橈骨の太さでも直径1センチもありませんが、そこに穴を開けて専用のプレートを当てスクリューを打ち込んでいます。

穴を開ける位置を間違うと、骨が割れてしまう事もあるため、非常に繊細な作業です。

さらに術後は全体安静が必要ですが、ワンちゃんに行ってもなかなか聞いてくれるものでもないため、しばらくの間はケージレスト(狭いところでなるべく動かさないこと)が必要になります。

狭いところに閉じ込めておくなんてかわいそうと思うかもしれませんが、外に出してうっかり高いところから飛び降りてしまったりすると、せっかく繋げた部分が破綻してしまい、再手術が必要、または割れ方によっては再手術ができなくなり治らなくなるかもしれません。

このように小型のワンちゃんの骨折は手術後も大変なのです。

特にプードルで前肢の骨折が多いので、高いところから飛び降りることのないように注意して下さい。