猫の大きなお腹のしこり
猫の大きなお腹のしこり
お腹が大きく膨らんできて、中に硬いものが触れるという6歳のメス猫ちゃんが来院しました。
お腹を触ってみると、飼い主さんが話したとおり、とても大きなしこりが触れます。超音波検査でも、やはり10cm以上かと思われるしこりがお腹の中に確認できました。
体重が3.5kgの猫ちゃんなので、10cmのしこりと言ったらお腹の大部分を占めるようなかなり大きなものです。人間で例えると、ドッジボールをお腹の中に抱えているくらいのものでしょう。
食欲や元気はあるという事ですが、これ以上大きくなると他の臓器を圧迫してしまい、体調が悪くなる可能性が高いので、2日後に手術をすることになりました。
お腹を開けてみると、そこに大きなしこりがありました。
しこりを体外に出してみると子宮から発生していることが分かったため、しこりを子宮ごと摘出することにしました。手術内容としては避妊手術と同じですが、大きなしこりがくっついているため大変でした。
しこりは無事に摘出しましたが、大事なのはこれが何かという事です。悪性腫瘍であれば、これだけ大きなものなので、既に他の臓器に腫瘍細胞が転移している可能性があります。
さて、摘出したしこりを病理検査に出しまして、2週間後に返ってきた結果は「平滑筋腫」という良性の腫瘍でした。子宮の筋肉から発生した腫瘍です。良性腫瘍なので転移することはないため、これで完治という事になります。よかったですね(^^)