猫のコクシジウム

ここ最近、続いて来院した症例が「猫のコクシジウム症」です。

コクシジウムという名前には、あまり馴染がないかもしれませんが、猫の腸の細胞内に寄生する寄生虫の一つです。

写真のような卵(正確には卵でなくてオーシストといいます)が便中に見つかることにより診断されます。

特に保護された直後の子猫で多くみられる寄生虫であり、よほどの濃厚感染をしていなければ、あまり症状を引き起こすことはありません。ただし厄介なことに、非常に駆虫しづらい寄生虫です。

猫のコクシジウムの駆虫薬として認可された薬は無く、ある程度の効果が望める薬は今までもありましたが、その薬だとなかなか駆虫できず、薬用量を徐々に増やしてようやく駆虫できるというような状況でした。

そこで現れたのが「プロコックス」という薬です。犬のコクシジウム駆虫薬として認可が下りた薬ですが、猫ちゃんのコクシジウムに対しても駆虫効果が望めます。

実際に猫ちゃんで使ってみたところ、1回の投与でコクシジウムが駆虫でき、特に目立った副作用も出ておらず、なかなかいい手応えが得られています。

我々のストレスを軽くしてくれそうな薬です(笑)