膣ポリープ

脱腸したという、12歳のメスの猫ちゃんが来院しました。

下の写真を見ると、赤いものが体外に飛び出しているのが分かると思います。

脱腸とはその名の通り、体の中にある腸が肛門から脱出してしまうということです。

ただし、この猫ちゃんの場合は、赤いものは肛門から飛び出しているわけでなく、陰部から飛び出しておりました。陰部から腸が飛び出すという事はありませんので、脱腸ということではありません。

陰部から赤いものが飛び出す病気としては膣が飛び出す膣脱、子宮が飛び出す子宮脱というものもありますが、この猫ちゃんの場合はそのいずれでもなく、膣ポリープというものでした。

膣にできたポリープが、排尿などの刺激により外に飛び出してしまったのです。

膣ポリープは根本が細く、先端が大きくなっていることが多いので、根本の細いところで縛って切除します。

終了後は下の写真のようにすっきりした陰部になっています。

膣ポリープは避妊手術をしていないワンちゃん、猫ちゃんに発生することが多いです。

それほど多い疾患ではありませんが、ほっておくと飛び出したポリープが乾燥し壊死して痛みを伴うようになるため、疑わしい場合は早めの来院をお勧めします。