SFTS

世間はコロナウイルスの話題で持ちきりですが、同じウイルス性伝染病の「SFTS」はご存知でしょうか?

SFTSという言葉は何となく聞いたことがあるという方は多いかもしれませんが、SFTSウイルスを保持したマダニに人が咬まれることにより発症する伝染病です。

マダニに咬まれることによる感染なので、コロナウイルスほど爆発的に広がることはない伝染病ですが、その最大の特徴は致死率にあります。これまでに人のSFTSの報告は国内で500件ほどありますが、致死率はなんと20%近くにも上ります。感染した5人に1人が亡くなっているのです!!

では、そもそもどこでマダニに咬まれるかという事になりますが、マダニは草むらの葉の先で待ち構えており、人がそこを通り過ぎる時に皮膚に寄生します。皮膚に寄生したマダニは血を吸い始めますが、その時にウイルスが体内に侵入するというものです。ということは、マダニが肌にくっつかないようにする、すなわち肌を覆った服装であれば予防することは可能です。

また別の感染ルートとして、マダニが付着したワンちゃんやネコちゃんと触れあう事により、マダニに咬まれて感染するケースもあります。散歩中にマダニがくっついてしまったワンちゃん、うっかり外に遊びに行ったネコちゃんにマダニが付着してしまい、そこから人にSFTSが感染する事も考えられるということです。

何よりワンちゃんやネコちゃん自身もSFTSを発症してしまうことがあり、ワンちゃんの致死率は29%、ネコちゃんの致死率は60~70%と、人よりも高いと言われています。

今はまだSFTSの発症の報告は西日本に限定されていますが、SFTSウイルスを持ったマダニは東日本でも確認され始めております。温暖化の進行もあるため、東日本でも感染者が出てくるのは時間の問題かと思われ、ワンちゃんやネコちゃんのためだけでなく、人のためにもマダニの予防が必須の時代になりつつあります

当院では3月からマダニの予防を勧めており、一押しはネクスガードという美味しいお肉タイプの薬です。ぜひ今年からマダニ予防を始めましょう。