指の先端のしこり

5年ほど前に、指の先端が腫れているという猫ちゃんが来院しました。下の写真のように、指の先端が腫れてしこり状になっていますが、とても固くなっており単純な炎症という所見ではありません。

腫瘍の可能性もあるため、全身麻酔下で摘出をした方がよさそうですが、しこりだけを摘出ということが難しかったため、断指しなければならないという話を飼い主さんにしたところ、そこまでの希望はなく経過観察という事になりました。

そこから数年間、しこりは徐々に大きくなっていきましたが、悪さをすることは無かったという事です。

ところが今年になって、しこりから出血がみられるようになりました。初めは出血も一時的だったのですが、やがて自分で舐めてしまうようになり、毎日のように出血がみられたため手術をすることになりました。

しこりは右前肢の第3指の先端から発生していました。指を途中で切断し、他の指と同様の形になるように縫合しました。

それから抜糸までの約2週間は包帯とカラーの生活を送り、2週間後に抜糸を終えました。

病理検査の結果も、「慢性炎症を伴う肉芽組織の増生」という結果であり、腫瘍ではなかったため、これで終了となります。きれいな指になってよかったです。