猫の関節痛

人が年をとると起こりやすい病気の一つに変形性関節症というものがありますが、猫ちゃんにも同様の疾患があります。ただし、人では膝や股関節などが痛むという症状が出ますが、猫ちゃんの症状ははっきりしないことが多いです。というのも、人は痛みがあれば容易にそれを訴えることができますが、猫ちゃんの場合は痛みがあっても訴えることができません。そのため、痛みを抱えながらも気付いてもらえないという事が多いのです。強い痛みがあれば明らかに歩き方がおかしくなりますが、以下の初期症状は見逃されることがあります。

・高いところに上ったり下りたりできなくなる

・活動性が低下する

・あまり遊ばなくなる

・グルーミングをしなくなる

・爪とぎをしなくなる

・体を触られると怒るようになる

この中の一部は加齢によっても現れる症状なので、それがまた判断を難しくしている理由です。加齢により動かなくなったのだと思っていたら、実は変形性関節症による痛みのために動くのを嫌がっていたという事も多いです。そのような場合、疑わしければレントゲンを撮り、明らかな変形性関節症があるならば痛み止めの内服やサプリメントを使用していくことになります。

12歳以上の猫ちゃんの90%に変形性関節症があるという報告もあります。最近ちょっとおかしいなと思う方はご相談ください。