爪周囲炎

ブログ2月担当の獣医師の吉田です。

まだまだ寒い日が続きますが、暦の上では春となり、先日関東では春一番も観測されましたね。

コロナの影響で大手を振って外に出られる日はまだまだ先ですが、早く収束することを願うのみです。

さて、私も趣味の話をと思ったのですが、趣味であるビリヤードも自粛中なので病院でのことをお話ししようと思います。

 

先日、後ろ足を挙上しているというワンちゃんが来院しました。

問診してみると何かアクシデントがあったわけでもなく、症状は急に生じたとのことでした。

このような症状の場合、足先から体の方へ順に触っていき、異常がないか確認していくのですが、このワンちゃんの場合、骨や関節に問題はなかったのですが、挙上している足の一部の爪およびその周辺の皮膚に炎症、腫れがみつかりました。

足を挙上しているとなるとどうしても骨や関節の異常が頭をよぎりますが、爪や皮膚の炎症もまた歩行に異常をきたす原因の一つです。

今回のケースのように一つの爪やその周囲のみの腫れ、炎症であれば二次的な感染が原因の場合が多いですが、複数の爪で認められる場合は全身性の疾患の可能性を考慮しなければなりません。

治療は感染が原因の場合は、原因に即した抗菌薬や抗真菌薬によって治療を行います。根本に全身性の疾患が隠れている場合は並行してそちらの治療も行います。

ワンちゃんと生活していると爪のトラブルは時々遭遇します。

今回のケースのように治療が必要なケースからお家での爪切りの失敗など様々ありますが、気になる事があれば診察の際にぜひ相談してみてください。