尿漏れ

ワンちゃんやネコちゃんで時々見られる症状の一つに尿漏れがありますが、尿漏れと一口にいっても症状は大別すると以下の2種類に分けられます。

①排尿したくて踏ん張っているが上手く排尿できずにポタポタと尿が漏れるもの

②排尿しようと踏ん張っていないのに(または寝ている時に)自然に尿が漏れてくるもの

①の場合は下部尿路(膀胱~尿道)に腫瘍ができたり結石が詰まったりすることによって、尿が貯まっていて出したいけど出せないような状態です。このように尿が出せない状態が続くと尿毒症となって命に関わる場合もあるため、腫瘍や結石を取り除いて尿を出せるようにする必要があります。またそれが難しいなら尿道にカテーテルを挿入して尿を出せるようにしたり、膀胱に直接針を刺して尿を抜いたりして、尿毒症にならないよう急場をしのぐ必要があります。

一方②の場合は、尿道を閉める尿道括約筋という筋肉が収縮できなくなり、本人の意志とは関係なく尿漏れが起こっているということが多いです。尿道括約筋の収縮不全は加齢で生じますが、メスのワンちゃんで避妊手術後にホルモンバランスが変わることによって起こることもあります。このような場合には尿道括約筋を収縮させる薬や、ホルモンバランスを整える薬が必要になります。

また、若齢性の尿漏れとして先天性に尿管(腎臓で作った尿を膀胱まで運ぶ管)に異常がある異所性尿管という疾患もあり、こちらは手術が必要になります。

同じ尿漏れでも、原因により大きく対処法が異なります。尿漏れにお悩みの方はご相談下さい。