除去食試験

今回のブログ担当の吉田です。早速ですが、皆さんはワンちゃんの来院理由で最も多い理由は何だと思いますか?

正解は皮膚の痒みです。これはネコさんでもTOP10にランクインしています。

皮膚の痒みの原因には、細菌やカビなどの感染症、ノミやダニなどの外部寄生虫がありますが、近年増えてきているのがアレルギーです。今回はその中でも食物アレルギーについてお話します。

我々人間と違ってワンちゃん、ネコちゃんは基本的に毎食同じ物を食べています。

その為、食物アレルギーがある子たちはアレルゲンが含まれている食事をとっていると痒み止めのお薬を使用しても、1年中なかなか痒みが落ち着きません。

原因となるアレルゲンを特定し、避ける事が重要になるのですが、人と違って血液を調べればすぐにわかるものでもなく、原因の特定に苦労するケースがほとんどです。

そんな時、実施するのが除去食試験です。

除去食試験とは、アレルギーを起こさないご飯だけを約2ヶ月間食べて頂き症状の消失を確認するといった検査です。

症状の消失または軽減を確認したら、疑わしい蛋白源を与えてみて症状の再発を確認する負荷試験というものを実施し、初めて食物アレルギーと診断できるのです。

気温や湿度が高い時期はそもそもの痒みのコントロールが大変なことや、試験期間中は痒み止めを休薬ないし減らす必要があるので、この試験は涼しく、痒みの出にくい時期に実施することが推奨されています。

もちろんアトピーなどの環境中のアレルゲンに反応する疾患を併発しているケースもあるので、完全に痒み止めを休薬できないケースもありますが、それでも量を減らすことは期待できます。

痒み止めを使用しているがなかなか症状が安定しない、仔犬の頃から皮膚の痒みや軟便などに悩んでいるといった方はご相談ください。

最近はアレルギー用のフードも色々なものが販売されているので、症状や味の好みにあったものもあるかと思います。

なかなか根気がいる検査ですが、この冬に一度食物アレルギーの可能性を見直してみるのもいいかもしれません。