体重の話
体重の話
今回は、動物病院で診察を行うにあたっての体重のお話をします。
動物病院でワクチンを打ちに行った時に、獣医師に「まず体重を測りましょう」と言われて体重を測ることがよくあるかと思います。
飼い主さんによって「あ、少し瘦せた!」、「また太っちゃった…」など体重測定に関して色々な感想があると思いますが、このワクチン時の体重測定が実はすごく重要なのです。
どういうことかと言うと、ワクチン接種など健康な時の体重を記録しておくことにより、いざ体調が悪くなった時に、どのくらい体重に変化があるかで問題の大きさを推測することができるからです。
ワンちゃんやネコちゃんは話をすることができないため、自分の体調が悪いことを口で訴えることはできません。よく観察している飼い主さんなら食事を摂る量が少し減ったとか、元気が何となくないとか気付くことはできますが、特に多頭飼いの方や忙しい方などは、体調が悪いサインを見逃していることもあります。
例えばここ2~3日食べなくなったというワンちゃんが来院した時に、体重が3ヶ月前に5kgだったのが4kgに減っていれば、2~3日よりもずっと前から食欲が落ちて痩せてきているということが分かります。
逆に元気はあるけどいつも食欲がないというワンちゃんが来院した場合にも、体重が減っていなければ大きな問題がないだろうと判断することができます。
また糖尿病などの一部の病気では食べていても痩せていくため、ワクチン時に体重が減っていることにより検査を行って病気が見つかるということもあります。
物言えぬワンちゃんやネコちゃんにとって、体重は体調を数値で表してくれるためとても参考になる指標なのです。
ご自宅でも普段から体重を測って、体調に問題がないかを注意してあげるようにして下さい。