子宮蓄膿症ってご存じですか?

今月担当の動物看護師の居山です!

さて、タイトルの通り犬猫の命に関わる子宮蓄膿症という病気についてご存知でしょうか?

 

子宮蓄膿症とは?

犬や猫のメスに起こる細菌感染により子宮内に膿が溜まる病気です。

進行が早い病気で、子宮内膜が炎症を起こし大量の膿が子宮内に蓄積し放置すると子宮を膿が圧迫し破裂する危険性があり、破裂した膿が腹腔内に漏れ出ることにより腹膜炎になり、播種性血管内凝固症候群(DIC)を誘発します。

さらに、重度の場合だと細菌自体や細菌による毒素が全身をめぐり敗血症や、腎臓、肝臓をはじめとした内臓の機能が働かなくなるなど命に関わる病気です。

・発症年齢:中~高齢(未避妊の6歳以上が多い)

・7歳以上では30%の確率で発症するといわれています。

・犬>猫で多くみられるが、猫で稀に発症します。

 

ちなみにこちらが通常の子宮です、子宮は細くて内容物はありません。

こちらが子宮蓄膿症の子宮です。片側が膨満して膿が貯まっています。

 

症状(早期発見のポイント)

水の飲む量が増える尿量が増える

・元気・食欲の低下

・お腹が張ってきた(閉塞型の場合)

・外陰部から膿や血混じりのおりもの(開放型の場合)

・陰部をよく舐める

・嘔吐、下痢

・発熱

・ぐったりしている

・震える・立ち上がれない

 

検査

・血液検査(→白血球・CRPの上昇)

・レントゲン検査(→子宮の腫大の確認)

・超音波検査(→子宮の液体貯留)などを確認します。

 

治療

基本的には緊急の子宮・卵巣摘出手術です。

内科療法(点滴・抗生剤)では完治は難しく、一度症状が落ち着いても、次の発情のタイミングで再発の危険性が高いです。

→早期発見=手術の成功率・回復も良好になります。

衰弱が進んでいると、細菌感染が全身に広がり敗血症になってしまい手術後の予後は悪く亡くなってしまう可能性もあります。ただ、放置していても治るものではないので基本的には卵巣、子宮摘出手術を勧めますが、高齢、または他の疾患がある場合は要相談になります。

 

✅子宮蓄膿症は予防できます!

唯一の予防方法は避妊手術です。

若いうちに手術をすることで100%近く予防が可能です。

出産させる予定がなければ1歳未満(6~8ヶ月齢)で避妊手術するのが望ましいですが過ぎてからでも子宮蓄膿症に対してだけですと遅くないです。

避妊手術は将来的な乳腺腫瘍の予防効果もあります。

未避妊の犬での乳腺腫瘍は50%が悪性で、未避妊の猫での乳腺腫瘍では80%以上が悪性です。

どちらも悪性の確率は意外と高いですよね。

猫での避妊手術は子宮蓄膿症に対してというより乳腺腫瘍の発生を防ぐ為にも行った方が良いです。また脱走してしまった際の望まない妊娠も防げます。

 

犬では初回発情前に避妊手術を行うと乳腺腫瘍の発生率は約0.5%

1回目の発情後に手術を行った場合は約8%

2回目の発情後に手術を行った場合は約26%

猫では生後6ヶ月未満で91%、7~12ヶ月で86%、13~24ヶ月で11%乳腺腫瘍の発生を防げます。

ただ、手術を行うのが早すぎてしまうと性ホルモンにより骨や筋肉、内臓、脳などの発育に影響が出てしまう為、うちの病院では大型犬では8~10ヶ月齢、小型・中型犬・猫では7ヶ月齢での避妊手術を推奨しています。

 

発症してからですと、年齢や他の疾患など麻酔をかけて手術をする上で様々なリスクも考慮した上で決めなければなりません。

きっとこの病気を知らないだけの方もいらっしゃると思いますし、もっと早く避妊手術をしておけば、あの時こうしていれば、などと飼い主様が後悔をし、動物達にも飼い主様にも辛い思いをしてほしくないと日々思うのです。

 

おまけ

犬は人の表情を読み取ることが上手なので接する時には笑顔で声をかけてあげて下さい。より強い信頼関係を築くことができます

猫ではゆっくりまばたきを返してくれるのは信頼と愛情のサインです。

皆さんのワンちゃん、猫ちゃんはどうですか?(=^・^=)