まぶたが腫れた!
まぶたが腫れた!
まぶたが腫れたという5歳のワンちゃんが来院しました。
見てみると右眼の上まぶた全体が腫れ上がっており、まぶたをめくると結膜にも腫れが及んでいるのが分かります(黄矢印)。
また、上まぶただけでなく下まぶたも腫れていました(緑矢印)。
所見としてはまぶたの炎症、いわゆる「ものもらい」ですが、よくある「ものもらい」は細菌感染であり、上下のまぶたに同時に起こることは多くありません。
今回のように上下同時など、まぶた全体に起こる場合は免疫介在性の眼瞼炎を疑います。本来なら体を守るための機能である免疫が過剰に働きすぎて、自分の組織を攻撃してしまっている状態です。
治療としては免疫を抑えるステロイドの投与が中心となりますが、場合によっては高用量のステロイドが必要になる事があります。
この写真のワンちゃんも低用量のステロイドには反応せずに、反対側の目にも同症状が現れてきましたが(反対眼にも現れると、なお免疫介在性の可能性は高くなります)、ステロイドを増量することにより、両眼とも炎症は消失しました。
ただし、ステロイドの投与を止めるとすぐに再発してしまう事が多いので、少しずつ減らしていく必要があります。
今はステロイドを減らしていきながら、再発が無いかチェックしているところです。