認知症③

今回は認知症の薬物療法についてのお話です。

前回までで述べたように、認知症は酸化ストレスにより、脳の神経細胞がダメージを受けることにより発症するため、抗酸化剤を用いて脳へのダメージを減らすという事が大事になります。

当院では、抗酸化作用のあるDHAやEPA、コエンザイムQ10を多く含んだ「AKTIVAIT」というサプリメントを最初に使います。行動診療学の先生も使うこのサプリメントですが、軽度の認知症でしたら症状が治まってしまうという事もあります。

ワンちゃん用だけでなく、ネコちゃん用もありますので、認知症かなという症状がある方はまず使ってみるのがよいでしょう。

それでも症状が進んでくる場合には、人用の認知症治療薬を併用するという事になります。「人の薬ってどうなの…?」と、不安に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それを使って認知症症状が改善したというデータもあり、効果は十分確認されています。

認知症がさらに進行すると、昼夜逆転して夜鳴きが始まり、飼い主さんも眠れない、近所の方からもクレームが来て困ってしまうというケースもあります。その時には抗不安剤を使って睡眠を導入するということも可能です。

このように認知症に対しての薬物療法は、サプリメントからスタートして、程度によって薬を併用するという方法になります。ただしそれらを使っていても少しずつ症状は進んでしまうので、可能であれば早い段階で気付いて、進行しないようにするということが大事です。

認知症かなという症状でお困りの方は、ぜひご連絡下さい。