皮膚糸状菌症②

今回は皮膚糸状菌症の治療と管理方法のお話です。

まず治療についてですが、抗真菌薬の経口投与が基本となります。また、糸状菌は全身の毛に感染するため、感染範囲が広い場合には全身の毛刈りを行い、薬用シャンプーでの洗浄が必要になる事もあります。

そして大事なのは管理方法です。糸状菌が感染した猫ちゃんが家の中を走り回ると、感染した毛が環境に散ってしまうので、可能であれば隔離をすることが望ましいです。特に同居の猫ちゃんがいる場合には、接触しないように注意が必要となります。

また、隔離したとしても糸状菌が感染した毛がどうしても環境中に散ってしまいます。絨毯などがある部屋の場合には毛の除去が大変になってしまうため、隔離するならばフローリングの部屋が望ましいです。それから掃除の徹底です。まず掃除機で除去できる毛はできるだけ取り除き、それから拭き掃除を行い、最後にハイターなどの塩素系消毒薬で消毒を行うのが理想です。

そのように投薬と環境管理を行ううちに病変部から毛が生えてきて良化していきますが、治るには時間がかかる病気で、早くて1ヵ月、場合によっては4ヵ月ほどかかります。

特に子猫ちゃんで脱毛が広がっている場合には、ご相談下さい。