骨盤骨折②

骨盤に複数の骨折箇所がみられ、手術を行う事になったネコちゃんの話の続きです。

①左の大腿骨が骨頭付近で骨折しています。(黄丸)

②左の仙腸関節(仙骨という背骨と骨盤の結合部)が脱臼しています。(赤丸)

③右の寛骨臼という大腿骨がはまっている部位も骨折しています。(青丸)

④坐骨~恥骨も骨折しています。(ピンク丸)

骨盤に上記のように4カ所の骨折がみられましたが、そのうち①左大腿骨骨折(黄丸)および②左仙腸関節脱臼(赤丸)の手術を行う事になりました。

まず①の手術ですが、画像では分かりづらいのですが、大腿骨が3つに割れてしまっています。まずメインの大腿骨と1つの欠片を2本のピンで整復してから、それと残りの大腿骨頭部を4本のピンで整復しました。

そして②の手術は左右の腸骨をボルトで結合させるというものです。レントゲン画像のように、左右の腸骨を1本のボルトで繋げることにより、骨盤が動きにくくなります。それにより、③の骨折部位も安定化させることができました。

下の画像が手術後のレントゲン写真になります。

手術後は1週間入院をして、退院後も1ヵ月半ほどは整復部位が破綻しないように、ケージの中で管理してもらいました。

術後1ヵ月半のレントゲン写真が以下になります。

 

骨折部位はまだ完全に癒合はしておりませんが、破綻することなく安定しています。骨盤が少し狭くなったため、便秘には注意が必要ですが、大きな問題にはならなそうです。

そして肝心の歩き方も後肢を使えるようになり、だいぶスムーズになってきました。このまま順調に回復していけばと思います。